1998年1月5日(月) 23歳 薄曇り、鼠色、京都。 前ぶれもなく因果もなく唐突に恐ろしい憂鬱が這い寄ってくる。 誰でもある気分のむらさ、と何でもないように振る舞ってその実この世が終わるような重い淀んだ空気に俺だけがなぜこんな気持ちにと世界を恨んでいる。 明るい話をしよう。君が登場しない話を。