1997年12月20日(土)
23歳

未明。

憂鬱:気が晴れないこと。心配事があって心がふさぐこと。

辞典の言葉は退屈で、
僕は僕の辞典を書き換える。

憂鬱:
理由はない。
あったとしてもごくごくささいなことで、気が晴れない。
ということはないが部屋でじっと「空気」だけを感じようとしている様。
またその時空間を支配する匂い。

自己嫌悪やある種のかなしみを、ナンセンスだと卑下しようとする自己防衛に対する警鐘。
面倒な関係は極力つくるまいなどとできもしないことを考える冬の空。
雨に濡れていると哀しいのか嬉しいのかわからなくなった夜の公園。

ただただそこに空気だけがある実感。
ただただ心地よい空気。
ただただ煙草の煙りに寄り添った焦点の合わない哀しみ。

なんて。
何もできないまま壊れていく生活をそうして「憂鬱」なんて言葉で誤摩化していく。
できることなら今この嘘寒いとがった空気の中で、
完全に「憂鬱」というものとシンクロできるならば、
そのまま海へ飛び込んでしまいたい。

どこにも欠陥が見当たらないほど壊れてしまいたい。
それをせめてもの言い訳にして生きていけるように。