1997年12月7日(日)
23歳
酔う、翌朝。
愛すべき人といると普段僕を縛りつけている枷はたやすく緩む。
酒がそうさせるのではない。人がそうさせる。
四条河原町のバー。2人で店のコロナビールがなくなるまで飲む。
果てしなく飲む。ライムがなくなっても飲む。
電車がなくなったので夜中の烏丸通を四条から今出川に向けて歩いた。
電柱にぶつかりながら歩いた。
大声をあげて歩いた。
ろくでなしだ、と喚きながら歩いた。
アトリエで酔いを覚ましバイクで帰る。
体温が低い。頬に手をあてると別人のような冷たさで薄気味悪かった。
でも僕は覚えている。
あの人の顔も何を話したかもあたたかい手も覚えている。
本当に酔っていたのか、酔っていたことにしたいのか、
多分両方正解なのだと思う。
こうして書くことで許されはしまいか、と思ってみる。
許されることはないと思う。