1997年11月5日(水)
23歳
タバコを吸う、の夜。
大学にくるまでは大嫌いだった。夜中の公園で格好づけに一口二口吸ってみたことはある。吸い方を知らなかったのであれは吸ったことにはならない。
いつの間にかタバコをくわえていないと人と話せないヘビースモーカーになってしまった。日記を書く時、絵を描く時、人と会う時、いつも手放せない。きっかけには思いあたることがある。
先日ニュースでタバコに精神安定効果がないことが証明されたと報じていた。まあそうだろう。大体のことは気のせいだ。死にたい気分も、幸せも。
格好つけてるだけだと君は嗤うが、格好をつけることをなぜ嗤うのか理解できない。
君たちは素の自分がそんなに魅力的なのか?
大した自信だなと僕もまた嗤う。
ああ、そういう醜さ。
そうした醜怪で低劣な言葉を吐くかわりに僕は煙を吐き出しているのだ。