1997年11月3日(月)
23歳
晴れた日は嫌い。祝日、の疲れた夜。
web上で書く日記は安いエンターテイメントでしかない。
「日記」という体裁を利用した欺瞞ショーだ。この1ヶ月でよくわかった。
演技じみてけばけばしい自分が憂鬱だ。
あまり他人ごとに関心がない。
不特定多数の人に向って何か言わなきゃならない、言いたいことがあるのはすごいことだ。
もちろん皮肉だ。
芸術学などというものを専攻している。
専門書を読み、詳しく史実を調べ、「ゲージュツとはナニカ?」を考えれば考える程、それを言葉で表現するのが恥ずかしい。
言葉はいやおうなく冷める。
僕の大事な部分をわざわざ人前で訳知り顔にしゃべるのは面映ゆい。
罪悪感とか贖罪という言葉をよくひきあいに出すのはそのせいだ。
君に伝えたいことは何もない。
あったとしても言いたくない。