朝と夜。
朝。
傷によってしかひとはつながれない。
つながっているのではなく、
お互い空いたままの虚しさを必死に埋めようとする態度なのだとしても。
そんなことは問題ではない。
痛みをもった人間がふいに発する呟きに対し、
他人である自分は全くの無力であり、言葉は逃げていってしまうということ、
自覚、自覚。それが出来れば、救われる。
救うのは自分しかいないという自覚。諦めではなく。
距離を性急に縮めようとする焦りではなく、漠然とした距離のしなやかな間。
愛情、という言葉の嘘くささと憧れに似た、雨の日。
希釈された現実感と溶け出して肥大したじぶん。
何も言うことなんてなかった。
それでも僕は満足だった。
夜。
真面目な顔は怖かった。笑っていたかったのに。
冷たい?そうですね。フォローくらいならできますけれど。
大事なことは口に出せばどんどん水に溶けて薄まるよ。
それは笑いながらひとを蹴り倒すことと同じだ。
どうやって笑うのか忘れた。
「いつでも逃げ出せるような」という条件つきで前向きだ。
本当に後ろ向きではものを創る必要がない。
「君は生物的に弱いいきものだ」と君が怒るから
僕は笑うしかない。
汗をかいている。
言いたいことがわからない。何も言葉では言えない。
罪悪感だけがレンズで拡大され、詩に戻ってこれない。
ごめんなさい。